オランダ大使館・オランダ総領事館, Japan

文化と芸術

オランダの文化

自由、創造と刷新

オランダは、文化と芸術分野で世界をリードしています。世界的に有名なミュージアム、クラシックから現代まで幅広くバラエティーに富む音楽、演劇など、様々な芸術の鑑賞が手軽にできます。国際的なアートフェスティバルも毎年多数開催されています。

1. ミュージアム

オランダには1000近い美術館や博物館があり、人口比率でみれば世界最大のミュージアム密度を誇ります。有名なものとしては、アムステルダムの国立博物館やゴッホ美術館、ロッテルダムのボイマンス・ブーニング美術館、ハーグのマウリツッハウス美術館、そしてアペルドールンのヘット・ロー宮殿などがあります。

近代・現代美術の素晴らしいコレクションは、アムステルダム市立現代美術館、オッテルローにあるクレーラー・ミューラー美術館、マーストリヒトのボンネファンテン美術館、そしてアイントホーフェンのファン・アッベ美術館で鑑賞できます。

2. 視覚芸術

オランダには、絵画芸術の長い伝統があります。レンブラント、フランス・ハルス、フェルメール、ファン・ゴッホ、そしてモンドリアンの作品は世界中に知られています。現代画家や彫刻家はこの伝統を引き継いで、素晴らしい作品の制作で大成功を収めています。

オランダの現代芸術家たちの作品は、ベニスのビエンナーレ、カッセルのドクメンタ といった国際芸術イベントに出展されています。戦後の画家で最も著名なのは、コブラグループのカレル・アペルとコルネイユの2人で、現在も制作活動に励んでいます。

この他、ヘル・ファン・エルク、ヤン・ ディベッツ、ぺ一ター・ストライケン、ロブ・スホルテ、マルテ・ローリング、マルレーネ・デュマスといった現代アーティストたちが知られています。

3. デザイン

シンプル、明快、質素という、オランダのデザインが持つ3つの特徴は、1920年頃にオランダ芸術に大きな影響を与えたデザイナー・芸術家グループ、デ・ステイル派の作品に顕著に表現されています。この様式の動きの中で、有名な芸術家には、ピー ト・モンドリアン、テオ・ファン・ドゥースブルフがいますが、とりわけ知られているのがヘリット・リートフェルトです。

オランダのデザインというとすぐに連想されるシンプルさは、切手、公共家具のゴミ箱や道路案内板、列車、そしてオフィスのインテリアなど、日常生活のあらゆる場面で目にすることができます。世界のデザイン分野をリードする、アムステルダムのプレムセラ・オランダデザイン財団では、革新されるデザインの促進と、種々のデザイン分野間の融合を育成、調整をしています。デザインアカデミー・アイントホーフェンは、人間と環境との関係を意識したユニークな教授法でデザイナーを養成し、高い評価を受けています。
オランダは、世界の芸術の中心地です。若いデザイナー、建築家およびアーティストたちが特にアムステルダムにやってくるのは、自由奔放 に芸術表現ができ、意見の交換と刷新性の満ちるこの街の風土に惹かれるからなのです。名声ではなく創造性こそが重要なのです。

4. 建築

建築や都市計画の分野においても、オラダは傑出しています。なんと記念建造物に指定されている建物は5万点にもおよび、政府はこれら建造物の保存のために維持費の援助をしています。

アムステルダムの運河沿いに並ぶ17世紀や18世紀の家屋は世界的に有名です。また、20世紀に実現された都市拡張計画なども、かなりインパクトがあります。建築家であり都市計画設計家でもあったベルラーへが手がけたアムステルダム南地区や、ロッテルダム中心街の新興建築物も素晴らしいものです。さらに加えて、オランダは様々な近代建築に富み、若手建築家たちは新興都市の建設や都市拡張計画などに参加して、彼等の思考を試す機会が与えられています。
政府は、クライアントとしても建築のトレンドに大きな影響を与えており、最近の例では、ホーホスタット設計の現代的な住宅・国土計画・ 環境省や、フラーフェスとスータースが設計したポストモダンの保健・福祉・スポーツ省の建物などがあげられます。

有名なオランダの建築家といえば、この他に、アルドー・ファン・アイク、ヘルマン・ヘルツベルハー、ウィム・クィスト、ピ・デ・ブラウ ン、レム・ コールハース、ヨー・クーネンなどが挙げられます。クーネンは、ロッテルダムにあるオランダ建築研究所の建物を設計しました。アムステルダムのベルラーへ学院は、有能な若い建築家、都市設計、景観建築の専門家を養成する国際ワークショップです。

5. 音楽

オランダには、全国数多に散在するオーケストラがあり、その中で最も有名なのは、アムステルダムの ロイヤル・コンセルトヘボウ・オーケストラです。また、18世紀オーケストラ、アムステルダム・バロックオーケストラ、シェーンベルグ・アンサンブルなどが、よく知られた小規模なアンサンブルです。

オペラはオランダでは非常に人気があり、特にアムステルダムのオランダ・オペラ座は、国際的な名声を築き上げました。オランダ・オペラ座は毎年、 10本ほどの演目を、主にアムステルダムで上演しています。現代オペラは、オランダ・オペラ座のレパートリーの中で重要な位置を占めています。

毎年アムステルダムで6月一杯開催されるホランド・フェスティバルは、世界的に有名な音楽フェスティバルです。1997年にその50周年を迎えました。古典音楽祭は毎年ユトレヒトで開催され、中世の音楽とバロック音楽を中心としたフェスティバルで、国内外の著名音楽家たちを迎えての公演が組まれてい ます。ジャズ、ポップおよび即興演奏なども盛んです。ノースシー・ジャズフェスティバルは、ヨーロッパ最大で最も有名なジャズフェスティバルです。よく知られているポップミュージック音楽祭としては、ピンクポップ、パークポップそしてディナモ・オープンエアーなどがあります。

6. ダンス

オランダは、モダンダンスでは優れた評価を受けています。ハーグのネザーランド・ダンス・シアター(NDT)の公演は、多くの場合アンダース・ヘルストレームが振付けていますが、彼の振付けは世界的な名声を博しています。小さなモダンダンス団も数 多くあり、その中ではイントロダンスが有名です。

ロッテルダムのスカピーノ・バレエは、近年、現代的なダンスを得意とするバレエ団として注目されています。アムステルダムのナショナル・ バレエは、主にクラシックなレパートリーですが、ファン・ダンツィヒ、ファン・マーネン、ファン・スハイクや、アメリカのバランシンなどの20世紀の振付師による作品も公演しています。ハーグで2年に1度開催されるホランド・ダンスフェスティバルでは、世界中でも最も優れた公演が催されます。

ユトレヒトのスプリングダンス、ハーグのカダンスといったフェスティバルでは、毎年、モダンダンスの最新のトレンドが分かる新作が披露されます。

7. 演劇

オランダには、伝統的で正統派の劇団から、音楽、パントマイム、ニューメディア等を駆使して新しい演劇形態を求める少人数の劇団まで、数多くの劇団があります。斬新的な演劇形態の劇団ドフトループは、定期的に大規模な演出で外国の舞台で活躍しています。

アムステルダムとアントワープ(ベルギー)では毎年、ドラマフェスティバルが開催され、このフェスティバルではオランダ語による作品が上演されます。オランダのシアターの新しい動きとしては、オランダ語のミュージカルの制作で、「ジョー」や「シカゴ」は、公演毎に劇場は満席で大成功を収めています。

8. 映画や写真

オランダの映画産業の規模は小さく、年間の製作本数は外国との共作も含めて20本程度です。 いくつかの作品は、国際的な評価を受けています。1996年にマルレーン・ゴリスの「アントニアの食卓」、また1998年にはマイク・ファン・デイムが 「孤独な人の肖像」で、それぞれアカデミー最優秀外国語映画賞を受賞しました。外国の映画で、監督はオランダ人、パウル・フェアフーフェンの「ロボコッ プ」や「氷の微笑」、そして同じくオランダの監督ヤン・デ・ボントの「スピード」と「ツイスター」も世界中でヒットしました。ルトガー・ハウアー、イェルーン・クラベ、そしてルネー・サウテンダイクといった俳優たちは、世界中の映画フアンに知り渡る名前となりました。「失われたトランク」は、イェルーン・クラベが監督し、40カ国を超える国々で上映されました。

オランダで開催される主な映画祭には、ロッテルダム国際映画祭(2月)、アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭(11月)、ワールドワイド・ビデオフェスティバル(4月)、そしてユトレヒトのオランダ映画祭(9月)などがあります。

オランダは、優れたドキュメンタリー映画で高く評価されています。ヨハン・ファン・デル・クーケンは、芸術的作品で国際的に注目されています。

初回の世界報道写真展は1975年にオランダで開催されました。報道写真は、特に若い世代の写真家に人気があり、人物、田園風景や都市 のシーンといったテーマがよく取り上げられています。

貴重な写真コレクションは、19世紀の写真収集を専門としたアムステルダムの国立美術館や、アムステルダム市立美術館、そしてライデン 大学の版画陳列室に納められています。

9. 文学

オランダは優れた文学遺産を持ち、一流の作家を輩出しています。
中世におけるオランダ文学は、幅広い西欧の伝統に則り「フローリスとブランスフルールや「カーレルとエレハスト」といった騎士物語、そして「きつねのライ ネールデ」の動物寓話、また「常人」という道徳の作品があります。16世紀には人文学が台頭し、エラスムスがこの分野でオランダを代表する重要な存在とな ります。社会や教会の腐敗を風刺した、エラスムスの「愚神礼賛」は、多くの言語に翻訳されました。

17世紀における文学界で脚光を浴びたのは、スピノザの哲学論文です。オランダ文学が大きな発展を遂げたこの時代には、フオンデル、 ホーフト、ホイヘンス、そしてブレデロを生み出しました。17世紀には聖書もまた、オランダ語に翻訳されました。1637年に出版されたこの公定オランダ語訳聖書は、オランダ語の進展に大きな影響を与えました。19世紀最大の作家は、ミュルタトゥリです。彼の小説「マックス・ハーフェラール」は、当時の蘭領東インド(現 在のインドネシア)におけるオランダ統治を糾弾するものでした。

第二次世界大戦後の文学は、卓越した3人「ビッグ・スリー」作家であるウィレム・フレデリック・ヘルマンス、ハリー・ムリシュ、そして ヘーラールト・レーフェが、長い間人気を博してきました。この他に、現代の著名な作家としてはヘラ・ハーセ、セース・ノーテボーム、A.F.Th.ファン・デル・ヘイデン、マルセル・メーリンク、アドリアーン・ファン・ディス、トーマス・ローゼンボーム、そして若い世代ではアルノン・フルンベルフが挙げられます。ここ数十年の間に、オランダ人文学への関心が世界中で高まっています。

公共図書館の利用率は高く、特に若者に人気があって、利用者の約60%が17歳以下の若者です。16歳までは図書館の会費は無料です。 公共図書館の蔵書総数は4000万冊を超えると推定されます。

10. 考古学

オランダの1,500ヶ所の遺跡で発見された1,800の遺物が国により保護されています。オランダ考古学は、湿気の多い土壌に恩恵を受けていることが特徴と言えましょう。オランダ西部は水位が高いため、衣類、食物、木材など有機残存物が、時には何千年もの間、水環境の中で良好な状態で保存されたという利点があるからです。

重要な遺跡には、ドレンテ州にある巨石記念物、フローニンゲン州およびフリースラント州にある先史時代の居住塚があります。またフレーヴォラント州のスホクランドは、UNESCOの世界文化遺産に認定されています。オランダにある優れた考古学資料は、ライデンの国立民族学博物館に展示されています。

11. ラジオ、テレビとメディア

オランダには、多くの独立放送局および活字メディアがあります。表現の自由は、オランダ民主主義の基本を成すものです。メディア法には、放送事業者が番組の内容や形態を自主決定できる旨が明確に規定されています。政府は、メディアが国民への情報提供を行うための環境作りの義務があります。

1920年代より、オランダでは公共放送制度を取っており、特定の宗教や社会的・文化的倫理に基づく8つの放送会社から番組が放送されるシステムです。こうした放送会社の番組は、公共組織であるオランダ番組財団(NPS)の番組により補足されます。NPSは、特に青少年向けや、少数移民向け番組を含む文化的番組を中心とした番組を放送しています。

さらに、公共放送制度はこれら以外にも、教会や宗教団体、教育機関、政党および政府の4つの団体が放送することができます。

オランダ放送財団(NOS)は、放送番組の作成の調整および指導を行うとともに、放送事業者の共同利益を保護しています。NOS は公共放送のニュースやスポーツ番組の作成および放送をしています。公共放送には、3つのテレビチャンネル、5つのラジオ放送局があります。1992年より、民間放送も行っています。オランダのほぼ全ての世帯が、ケーブルネットワークに加入しています。ケーブルネットワークで、国内外の公共および民間放送の番組を多数受信することができます。

ラジオ・ネーデルラント国際放送局(RNW)は、外国にいるオランダ人やオランダに興味を持つ外国人が、世界に向けて放送するこの独立公共放送局のラジオおよびテレビ番組を受信できます。