オランダ大使館・オランダ総領事館, Japan

教育

私立から公立まで

1815 年にオランダ王国が誕生して以来、政府はオランダの全ての児童に十分な教育の保証をする義務を履行してきました。しかし、これは政府に学校の独占権があるとか、教える教育内容に権限があることを意味しません。1848年の憲法に則り、どんな団体の人でもそれぞれの宗教、思想、教育理念に基づいた学校の創設が認められています。

教育の自由
政府は、当然、全教育制度の監督の責任が あります。オランダの子供たちは、5歳から18歳までが義務教育とされていますが、16歳から18歳までは定時制でも良いとされています。必要な科目および達成目標は、学校別に法に基づいて設定されていま す。こうすることにより政府は、オランダ国内での卒業証書がいずれも一定レベルに達したものであることが保証できます。

多くは地方自治体の手によりますが、官庁によって創設された学校は、公立学校と呼ばれます。その他の私的団体により設置された学校は、 私立学校と呼ばれます。オランダの学校全体の4分の3以上は私立学校ですが、一定条件を満たす限りどの学校も国から運営資金を受ける資格があります

教員の給与もまた政府より給付されます。2001年のオランダの教育支出は、GDPの5.3%でした。16歳までの児童の学費は無料ですが、中等教育のレベルでは教科書とか教材を保護者が負担せねばなりません。所得とは関係なく保護者には児童手当が支給されます。

基本奨学金
18 歳以上の学生には、学費負担の義務が あります。学費や授業料はどの学科もほぼ同額です。 18歳以上の学生には、一律に政府から基本奨学金が支給され、不足分はローンなどで補足します。ローンの額は、学生本人あるいは保護者の所得次第で、学生の学業成果によっても決まります。良い学業成果の学生は短期間で修学できるからです。

この他、18歳以上の学生は、公共交通機関の学生割引証書も申請できます。18歳から27歳の19.2%は全日制、そして0.8%は定時制で、何らかの高等教育を受けています。オランダの学校、上級職業専門学校あるいは大学で生徒や学生のための宿泊施設を持つところは殆どなく、制服などの服装規定もありません。

初等教育
オランダの初等教育は、4歳から12歳までの児童を対象としています。この8年制初等教育においては、生徒の感情、知性、創造性の発達と、十分な杜会的、文化的・身体的能力を身につけることに重点が置かれています。

各々の初等教育学校は、政府が定めた規定に基づいて、ワークプランを立てます。学習・身体・杜会的障害者には、特殊教育や特別ケアが提供されます。

中等教育
12歳から子供は中等教育を受けることができ、3種類があります。
- 職業訓練中等教育(VMBO)
- 上級一般中等教育(HAVO)
- 大学進学中等教育 (VWO)

ほとんどの中等学校では、これらの教育のうち2種類以上を提供しています。VMBOは4年制で、その先は中級職業教育(MBO)に進むことができます。HAVOは5年制で、その先は上級職業教育(HBO)に進むことができます。VWOは6年制で、大学教育(WO)に続きます。

中等学校の最初2、3年間は、学生は全員15教科からなる基礎形成教養課程を学びます。現在、オランダの17歳の若者の95.7%は、全日制の中等学校の修了者か、または在学中です。

職業教育
1996年に導入された成人・職業教育法 (WEB)は、包括的な成人および職業教育課程を提供する、地域教育訓練センターを設けました。職業教育課程は学校での学習と、実地研修から成っています。コースには2つのタイプがあり、実地研修が課程の最低20%から最高60%を占めるタイプと、実地研修が課程の最低60%を占めるタイプです。コースには4つのレベルがあります。地域教育訓練センターでは、成人教育も行っています。

高等教育
高等教育には、上級職業教育(HBO)と 大学教育(WO)があります。2002年には、学士・ 修士資格制が導入されました。学士号を取得するには、大学では3年、HBOでは4年かかります。学士号取得者は、修士課程へ進むことができます。修士課程は通常1から2年間で、学科により異なります。ただし医学修士課程は3年間かかります。 18歳から27歳の19.2%は全日制、そして0.8%は定時制のなんらかの高等教育を受けています。卒業後は、さらに専門を絞るなり、研究活動を行うことができます。オランダには総合大学が9校、工科大学が3校、農業大学が1校あり、それぞれ専門研究機関を持っています。

従来の学位
卒業生は、学士/修士号、あるいは従来の学位を選べます。従来は、上級職業学校(HBO)を修了した学生は、技師(Ing)あるいは学士(B)の学位を名乗ることができ、大学の理工科卒業生は技師(Ir)、法科の卒業生は法学士(Mr)、その他の学科の卒業生は博士候補者(Drs)といった学位を得ます。これらの学位の代わりに修士学位(M)としても良いのです。学位論文を提出して博士課程を修了すると、博士(Dr)の学位を使えます。これらの学位は法によって定められ、保護されています。

成人教育
成人教育として、上記にあげたほぼ全ての教育課程が設けられています。全日制あるいは定時制で、昼間あるいは夜間のコースを受けられます。成人教育では、様々な大学教育課程をそろえた通信大学 (オープンユニバーシティ) がとりわけ重要な存在となっています。

国際教育
オランダでは、両親が外国勤務などの理由により、外国に居住し、初等あるいは中等教育を外国で受けた児童のために、全授業を英語、フランス語またはドイツ語で行い、国際学士号・バカロレア資格を取得できる学校があります。また、外国の大学卒業生が英語や、時としてフランス語あるいはスペイン語で、特別課程を受けられる高等教育機関が10校あります。

リサーチ
科学とリサーチ政策の目的は、オランダにおける効果的で優れた知識インフラを維持することにあります。通常の研究投資に加え、公共と民間セクター協賛の12の有望なプロジェクトに対して、政府は2002年までに2億ユーロの投資をしました。教育・ 文化・科学省が、科学およびリサーチ政策の調整を行っていますが、他の省の大臣たちもそれぞれの担当領域における本政策の責任を担っています。

通常、大学付属の研究施設は政府から財政援助を受けますが、オランダ芸術科学アカデミー(KNAW)およびオランダ科学研究機構 (NWO)管理の基金に、研究助成金を申請することもできます。また特別コースの実施や、企業からの委託研究の施行に対して、報酬を得ることも許されています。

本章に関する詳しい情報は、 教育・文化・科学省 までお問い合わせください。